LIRY vol.20 Special Issue “ Motherland ” #4 Itsutsumon

五つ紋

紋とは何か?

家紋は家系、血統、家柄、地位を表す紋章として生まれました。様々な説があるようですが、6世紀から7世紀にかけてその原形ができあがり、天皇や皇族が着物につけた柄から生まれ、その柄を決まった紋様にし、自分の牛車につけたものが家紋の始まりといわれています。武家社会では敵味方の区別だけでなく、大将からどの武将がどれだけ活躍しているかの判断や、武士にとって家紋入りの着物や提灯を下げて歩くことは、看板と同じで自らの威厳を誇示するためのものでありました。下克上の戦国時代になると同族同士での争いも増えると、同族の中でも異なる家紋を使用するようになり、家紋の種類も増えました。江戸時代、庶民に苗字の公称は禁止されていましたが、家紋使用の制限はなかったこともあり一般庶民にも広がりました。元禄時代に入ると庶民の生活も華やかになり、家紋の使用もさらに広がり、家紋の図柄も華美、優美になっていきます。左右、上下対称、丸で囲んだ家紋はこの時期に増えたとされています。明治時代になると「紋付袴」の黒紋入りが一般的になりどの家にも必要なもとのになりました。庶民は家紋を比較的自由に決めていたそうだが、逆に床屋や地主といった権力者から無理やり家紋を決められた家もあるという。

 

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家紋とその種類や、由来について。

家紋の種類は、植物紋、動物紋、天然(天地)紋、調度(器財)紋、文様紋、文字(図符)紋、建造紋などがあります。また、その家紋に込められた願いの種類によってわけることもできます。五穀豊穣や武勇、縁起などを願うものです。花や葉をモチーフにした植物紋は一番種類が多く、日本人は農耕民族で自然との関係が深かったことがうかがえます。代表的な紋として、皇室の家紋の菊花紋章という菊の紋があります。中国から大きくて華やかな菊が渡り、その美しさから人々を虜にしました。貴族たちにも愛でられ、菊の家紋が生まれたとされています。とりわけ菊の花を愛した後鳥羽上皇は菊の紋を使用するようになり、そして菊の花びらが太陽の光に似ているため皇室の家紋として使われるようになったと言われています。

 

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紋の数で格式が変わることについて。

着物の紋は入れる位置と数がきまっており、一つ紋、三つ紋、五つ紋があります。背縫いに背紋を入れると一つ紋、両後ろ袖に袖紋を入れると三つ紋、両胸に抱き紋(胸紋)を入れると五つ紋となります。背紋の一つ紋はご先祖様を表し、胸にある抱き紋は両親を、両袖後ろの紋は兄弟、姉妹、親戚を表しています。全て紋をつけた五つ紋は自分の血筋を表し、一族の代表という意味を持つことから格式高いとされます。紋の数が多いほど、格式が高い。紋の表現方法でも格式が変わったり、男女で大きさがかわったりします。

 

 


Photo / Daisuke Shouda (KRK)
Kimono Dressing / Yumiko Noda (KIMONO ROMAN)
Styling / Keisuke Ueno (REFRAIN226)
Hair / Ayano Ura (hairmake FULL)
Make / Tomoko Kido
Model / Kana (elegant promotion)