LIRY BY LIRY Column by Yoshiro Okamatsu (SPS) 

 

Funky methodist 

 

Vol.1 DJ AKINOBU KOGA

 

 

 

「(自分が)踊るのが好きだからね」

現在もブースに立ち続ける古賀氏。ハウス、アンビエント、ヒップホップなどジャンルレスにセレクトする彼のプレイは、老若男女問わずROCKさせる。またクラブだけにとどまらず空間を演出する選曲で、場所を問わずその空間にマッチさせるのが彼のDJプレイの真髄である。

 

 

 

History Of…

 

1.今の古賀さんのレコードボックスとも言えるのがMacbookpro。音楽とともに生活していると言っても過言ではない。ヴァイナルは相当処分したそうだが自宅内のスタジオにはお宝とも言える音源がぎっしり。イベントの前には現場をイメージしながら選曲している。

2.東京時代。小箱から数千人規模の場所でプレイしていた。UFOやDJ TOMMY、MAJOR FOCEなど錚々たるメンバーとプレイ。またスタイリストの馬場圭介氏や島津由行氏などファッション業界とも親交が深い。

3.パリコレクション、〈ジュンヤワタナベマン〉のショーの音楽を担当。別年のパリコレクション〈イッセイミヤケ〉を担当した際には音楽賞を受賞。

 

 

 

「ジャンルなんて関係ないよ」

初めて音楽に感化されたのが16歳の時。ラジオで聞いた〈ローリングストーンズ〉に衝撃を受けた青年は、家の近所にあったダンスホールへ通うようになる。そこでは皆靴を脱ぎ、ジュークボックスで一曲ずつ掛かる音に合わせて年上の男女達が楽しそうに踊っていた。その後上京し働いていた店で自分で選曲録音したカセットテープを流していたところ一人の男性に声をかけられる。「これ誰が作ったの?」「僕です。」「うちでDJしない?」声をかけてきた男性はとあるバーのオーナー。「はい、やります。」その時青年の運命が決まった。DJとしてのスタートの日だった。その店には藤原ヒロシ、高木完ら〈タイニーパンクス〉をはじめ、売り出し前のビッグネームが集っていた。その後日本ファッション界の重鎮、四方義朗氏率いるファッションイベントなどをプロデュースする〈サル・インターナショナル〉に在籍し、コレクションやラジオ番組での選曲、ディレクションを担当。そのラジオ番組は、80年代当時のプログラムにもかかわらず、視聴者有志が作成した日別のプレイリストが、ほぼ全て掲載されたウェブページが作成されるなど、当時のミュージックフリークスに認められていたことは想像に難くない。福岡に拠点を移してからも自身がオーガナイズした「Club@PLUG」で、DJ EMMA,DJ NORI,MAJOR FORCEなど国内外で活躍する演者をキャスティングし、福岡のクラブシーンに新たな波紋をおこす。また今年4月には「株式会社ギンガム・BEAMS福岡、大分」の40周年イベントでは鎌田社長直々に依頼され、グランドハイアットで開催されたパーティーでDJをつとめる。古賀さんに聞いてみた「なんでDJを始めたんですか?」古賀さんは言う「踊るのが好きだからね。(音楽の前に)踊ることの方が好きだった。」、「音楽を聴かせるだけじゃなく、選曲でどういうシチュエーションにするか。ジャンルは関係ないよ。DJがいてお客さんがいて、要は興奮させるかさせないかだから。」

 

「興奮させるかさせないかだから」

 

 

 

古賀 明暢 (こが あきのぶ)・DJ・選曲家  福岡県出身。80年代千駄ヶ谷「ライズバー」にてキャリアスタート。「サル・インターナショナル」に在籍し、パリコレクション、東京コレクションでのミュージックディレクション、〈ジュンメン〉がスポンサードしたFM東京「TRANCEMISSION BARRICADE」で富久慧氏らと共に選曲を担当。阿川泰子、YMOなどへの楽曲提供やリミックスも多数手がける。現在は拠点を福岡に移しクラブプレイを中心に活躍中。毎月第一日曜日、Lab-g remixでのレギュラーイベント「GROOVIN’」にてプレイ 。


Photo / Airi Matsuo (ar photo)
Text / Yoshiro Okamatsu (SPS)
Location / club Lab-g remix