LIRY vol,19 Special Issue “What’s Fashion?”  #4

Transparent

透明少女

黒い眉の少女は、足元をバレエシューズで固め、「透明」を纏う。 装いの新時代は、身体を解放し、ハイカラ狂いの少女を生んだ。

 

 

 

ビタミンカラーが眩いフラワープリントの「透明」は、透けそうで透けない絶妙なフェティシズムを与える。

 

フラワープリントコート ¥10,800 (ヴィンテージ|エースインザホール) 楊柳(ヨウリュウ)シフォンイレギュラーヘムハイネックワンピース ¥42,000 (リョウリョウ|リョウリョウ) バレエシューズ モデル私物 他スタイリスト私物  リョウリョウ ☎090-5933-7365 エースインザホール ☎092-724-3958 

 

 

黒の「透明」は、羽衣のようなオーバーコート。覗かせる肌は、艶やか。  

オーガンジーオーバーコート ¥35,000  (リョウリョウ|リョウリョウ) レースロングワンピース ¥12,800 (ヴィンテージ|エースインザホール) バレエシューズ モデル私物 他スタイリスト私物  リョウリョウ ☎090-5933-7365  エースインザホール ☎092-724-3958 

 

身近な「透明」と言えば、「ビニール傘」だ。いわゆる「ありふれた傘」は、その大量生産と言う背景が故に、軽々しい存在として派生し、“透過してる”と言うことが、チープな印象を作った気がする。いつ頃からか、夏になれば女性がビニールバッグを使い始め、中身が露わになるにも関わらず、解放感=夏と言う季語かのように定着してきた。しかし、衣類の「透明」は、モードシーンでは、アバンギャルド的なポジションではあったが、ストリートシーンは、まだまだ遠い存在だと思っていた。もちろん「透明」と言っても、モードシーンの様なスタイリングではなく、極端な箇所はフォローされてるのだが、その「透明」を着ると言う、心構えの様なモノが時代と共に変化している気がする。<カワイイ>と捉えるニュアンスは、色気やセクシャリティの様なものまでも、超越していくのかもしれない。そして、ファッションは、まだまだ「人とは違う何か」を生みだそうとするチカラがあるのだろう。余談だが、傘をしっかりと選ぶ人は、下着まで徹底してると思っている。  (スタイリスト 上野圭助)

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Photo / Chihiro Fuchigami 
Styling / Keisuke Ueno (REFRAIN226)
Hair & Make / Yumiko Natsuaki (co5)
Model / Yuri Murakami (elegant promotion)