LIRY VOL.19 SPECIAL ISSUE “What’s Fashion?”

#6 Fashion Creation

ファッションを創る・生む理由人とは? デザイナーに聞く、ファッションプロダクト。

 

 

chapter 4

Arnev : Ayano Ishida

ワガママから生まれた 変形的デザインや、新たなブランド

石田綾乃 さん

<アルネブ>デザイナー 

ーファッションを志すきっかけとなった出来事は何でしょうか?    

絵を描くことが大好きで、それをカタチにしたいって思ってました。7歳で洋裁教室と、絵画教室に通いはじめたんですが、色々(割愛)あって体育学部をでて、アクア、エアロビクス、ジム、エステがある会社でインストラクターをしていました。レッスンの時間外はエステティシャンとしても働いていてそれなりに謳歌してましたが、ある高熱の日、プールで震えながらも笑顔いっぱいでレッスンしながら、ふと、おばあちゃんになっても、ずっと出来るお仕事がしたいなー。と考え始めたのがきっかけで学校に通い始めました。

 

ー影響を受けたブランドやデザイナーはいらっしゃいますか?    

まだ自分に何が似合うか?何が好きか分からなかったので、若い時ひと通り失敗しまくりながらファッションを楽しんでみて、 あれや、これや古着や黒服モードやヒッピー風やヴィヴィアン、フレンチカジュアル、アメカジ、ギャル風まで(笑)。とくに明確なモノは無いです。 

 

ー変形的なデザインが多いというブランドイメージですがその中で、そういった特徴的なデザインを、上手くリアルクローズに溶けこませる〈アルネブ〉ならではの魅せ方についてお聞かせください。

何千もの服を作って(何万かな?)失敗も沢山あったんです。若い頃は正直、腕が、背中がと、言われても痩せたらいいじゃんと思ってたりしてました。(若気の至りスミマセン)年を重ね、自分の身をもって身体でも感じ、結局女性はワガママな生き物、カワイイだけでなくて着やすさ、シルエット、使い回し、悩みのカモフラージュ。とにかく沢山の要望をもっていることを知りました。アルネブでは人気のアイテムを追加生産する時などデザインそのままでパターンをちょこちょこと修正しながら、前よりもっと良いシルエットに、その都度進化していっています。

 

ーどういった女性像を想像して洋服を作っていますか?    

女性でいうなら自立したクールな方々。甘いアイテム少し苦手で。でも実は、チョット好きなので、甘いアイテムも色や、素材、スタイリングでクールにみせるように提案しています。オトナのセクシーさとかっこよさと強さを持ち合わせている女性像ですね。また今季秋冬からAMBOS〈アンボス〉というジェンダーフリーのブランドも立ち上げました。男性、女性、老若男女、サイズあえば誰でも自由に。何やったってどうせ誰かに何か言われるんだから自分が納得できて正しいと思うことをすれば良い。という考え方に共感したから生まれたブランドです。 

 

 

ー新たに〈アンボス〉が立ち上げに至った経緯や、〈アルネブ〉との違いは何でしょうか?。  

〈アルネブ〉を立ち上げて、男性からよく欲しいと言われることが増えてきたんです。サイズが合えば男性も着て下さるようになりましたが、レディースブランドという肩書きがある故に、着たいけど恥ずかしいという声もチラホラ聞こえてて、元々、男性、女性、高齢、中年、青年、あまり意識しないタイプだったし、ファッションに制限はないと思っていたので、ならば!自由にその日の自分を楽しむ為の アイテムでいい!と考えてました。みんな自由に合わせて大切に着てくださればとっても嬉しいなと思って立ち上げました。

 

ー今後〈アルネブ〉というファッションを通して伝えていきたいことはありますか?

〈アルネブ〉は何年も大切にできて、古くならない服作りがコンセプトでもあるので、見た目だけでなく、素材や着心地までこだわり丁寧に作っています。とても安価でワンシーズンで捨ててしまう洋服も溢れていますが、いくら安価な洋服も1枚1枚人が縫っているし、素材作りで例えるとコットンは種から植えて育てて出来ているのに何故安いのか?そこに早く気が付いて欲しいなと思っています。適正な価格で適正な賃金を支払うこと1枚の服に関わったすべての人がきちんと潤えるような、当たり前の状態に早くなれば良いなと思う。〈アルネブ〉もそのような大切な事を少しずつお伝えしながら作っていきたい。

 

*石田綾乃さん
<アルネブ>デザイナー
「ウサギ座」という小さい星の意味は、小さくても光輝く星。その星座の様に、「優しく、強く、美しくありたい。」という思いから生まれました。ステキな未来を信じ力強く一歩ずつ進んで行く。そんな女性達のために<アルネブ>は様々なシーンに溶け込み、個性を放ち自分を表現したい大人のためのリアルクローズ。大人の女性が気になりだした、ボディラインを少しでもスッキリ見せるシルエット、プリント、切り替えの位置やパターンなど多方面から着やすいモノを一つ一つ丁寧に考え、永遠に着たいアイテムを中心につくっています。

web : www.arnev.jp
Instagram : @arnevarnev

interviewer : H&M Ayano Ura

 

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