LIRY vol,17 Special Issue Scent #2
三大香木
Fragrant Wood
“香りの強い花”をつける3つの樹木。咲く季節は違えど、印象的な香りを持ち、誰もが一度は香ったはず。3つとも、季節を代表したり、詩や香水など、ワタシたちの生活のどこかに実は隠れています。
梔子 ・ gardenia
クチナシ(梔子)
世界中から愛されるクチナシの香りと白い花
食品の着色料として知っている方も多い、梔子。花からはとても甘く癒しの香りを放ちます。6月~8月に開花時期を迎え、真っ白な花びらをつけます。この花が枯れていくと徐々に黄色になり、秋にオレンジの実をつけ、着色料としての梔子となります。梔子の実が熟しても裂けないことから、「口無し」=「クチナシ」と名前の由来はいくつかあるようです。梔子は世界に200種類以上の種類と品種がありますが、もともとは一重咲き。花びらがバラのような八重咲きの品種はガーデニアとも呼ばれてており、こちらは実をつけません。春と秋2回花を咲かせる品種もあるよう。ヒゴヤエクチナシという品種は、大輪八重咲きで香りも強く、熊本県立田山で自生しているのが発見され、国の天然記念物となっています。花持ちが短い梔子(ガーデニア)ですが、その香りは美容用品やシャンプーの他、シャネルやグッチの香水としても販売されており、世界中から愛されています。
クチナシ(梔子)の花言葉
「とても幸せです」「喜びを運ぶ」「洗練」「優雅」
ヨーロッパでは女性に贈る花として、アメリカではダンスパーティーに誘う時に女性にプレゼントする花として親しまれています。「とても幸せです」という花言葉は、そんな男女の気持ちを表しているといわれています。その他に、初夏の風にのり運ばれてくる香りから「喜びを運ぶ」、白く美しい花から「洗練」「優雅」という花言葉がつけられています。良い香りと純白の白い花、花言葉も幸福感があるため、プロポーズに渡したりウエディングブーケになることも。初夏の花なので、季節の挨拶や夏の季語として使われることもあります。俳句などでも梔子は季語として登場し、正岡子規などが俳句を残しています。
Photo / Chihiro Fuchigami
Hair&Make / Ayano Ura (harimake FULL)
Special Thanks / F-cox
Model / Lui Yamada (elegant promotion)