九州プリズム!

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食 ×ファッション!地域のヒト、コト、モノにワンモアラブ。ファッションと食が融合する希望の光。
確かめていたいこれまでの九州。感じていたい新しい九州。フードアナリスト田部ひとみが、“食”とファッションを繋ぐ。

 

 

 

第六回「ラハテア

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第六回「ラハテア」

 

  夜専用乳酸菌。それはかつて私が飲んできた「お酒」のラインナップの中でも衝撃的かつ、本気リキュールである。九州で「お酒」と言うと「焼酎」と言われるほど、九州は数多くの酒蔵がある焼酎大国である。  自分の出身地「宮崎」だということを伝えると、多くの割合で「やっぱり焼酎が好き?」「お酒強いでしょ?」と聞かれる。まだ福岡にきて間もない社会人になりたての頃、体育会系の先輩たちが勧める芋臭い焼酎を、平気を装って飲んでいた。「この芋臭さがいいだろう?」そう問われても顔はYES、心は正直NO。焼酎の美味しさって何だろう。当時の私はまだまだお子様だったのか、落ち着くのは決まって梅酒のソーダ割だった。焼酎の美味しさというものが自分の中でしっくりこない。いや、特別美味しさを知ろうとせずにいた。先輩方のおかわりのお酒をつくりながら、早くこの時間が終わらないだろうか。時計ばかりを気にしていた。そして、焼酎への苦手意識に比例するかのように、飲みかけの自分のグラスにこっそり多めの水を入れたのだった。宮崎県日南市に120数年の老舗酒造「井上酒造(旧:櫻の郷酒造)」が創る『飫肥杉(おびすぎ)』という芋焼酎がある。難しい漢字で、初めて見る人はなんと読めばいいか分からないだろう。この地域で育成されるスギの名前が由来している。そんな自然豊かな場所で生まれた芋焼酎「飫肥杉」に出逢ってから焼酎がちょっぴり好きになった。口に含んだ瞬間、さわやかな香りがスッと広がる上品な口当たり。後味にも奥行きがある。連なる飫肥杉の木々の間をすり抜け散策しているよう。焼酎入門編としてはぴったりの焼酎だ。  

 飫肥杉の木々ではないが、自然豊かな国といえばフィンランドがある。そのフィンランドが実は貴重な乳酸菌を創っている。それが「ラクトバチルスGG菌」である。生きたまま腸に届けてくれるというカラダに嬉しい乳酸菌。現在50カ国以上で愛用されているが、商品化が認められるのは一国一社のみ。日本では「タカナシ乳業」がラクトバチルスGG菌の商品化が許されている。この乳酸菌と飫肥杉が出逢ってしまったのだ。もともとタカナシ乳業の方が「飫肥杉」を知っていた。さすがは120数年の老舗酒造。実は、井上酒造は櫻の郷酒造として今回タカナシ乳業と生ヨーグルトリキュールをつくった。芋焼酎とヨーグルトの異色の組み合わせ『ラハテア』だ。飲むヨーグルトのような感覚で特に女性から熱烈なラブコールを受けている。アルコールも5%と、ほろ酔い気分で秋の夜長をじっくり楽しみたい女性にお勧めしたいオトナの飲むヨーグルト。そう、「夜専用乳酸菌」である。すっきりとした甘さで、さらっと飲めて重くない。生きたまま腸まで届くといわれると、お酒を飲み過ぎた日の少しばかりの罪悪感さえ、消えてしまう。老舗酒造が生み出す、新たな世界。焼酎は飲めないけど、焼酎入りのリキュールなら知ってるよ。社会人になりたてだった私にも、こっそり教えてあげたい。

 ラハテアはフィンランド発祥で「出発」という意味。夜専用乳酸菌で明日の自分に向けて、今晩こっそり仕込みを始めよう。明日の自分への期待とともに、時計の針が進むのだった。

 

 

information 

櫻の郷酒造株式会社

〒889-2402 宮崎県日南市北郷町郷之原甲888番地
☎ 0987-55-4134 ℻ 0987-55-4283

 


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Tabennet 
“九州”のおもしろさは地域のヒト・コト・モノである。まだ見ぬ、まだ知らずの地域の魅力を食のフィルターを通して発信するTabennet(たべんねっと)がLIRY読者にお届けする独自の世界感。食の情報発信の専門家「フードアナリスト」田部ひとみが伝えたい九州の食。

PHOTO / CHIHIRO FUCHIGAMI 
STYLING / KEISUKE UENO (REFRAIN226)
HAIR & MAKE / AYANO URA  (hairmake FULL)
MODEL /  YURI MURAKAMI (elegant promotion)
EDIT / HITOMI TABE (TABENNET)

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