リリー文化倶楽部 イマドキ!最前線
第五回 Part 2 “思い出の曲”
リリー文化倶楽部イマドキ!最前線Part2!では、思い出の曲に関するエピソードを大公開。9名の方々に赤裸々に綴っていただきました。まさに、青春と言えるような甘酸っぱい初恋のエピソードや社会の荒波にもまれながらも奮闘しているエピソードなど、読んでみて共感する方も多いのでは。
・KANA-BOON

①〈カナブーン〉の「羽虫と自販機」と言う曲は、高校時代に付き合っていた彼女を思い出してしまう曲です。高校の頃は多感で、周りの友達も自分達のカップルを面白がっていじったりして楽しかったのに、ある時、彼女の友達が自分に連絡をしてきたり、彼女の悪い噂などを話してきたり、彼女がいるところでわざとボディタッチをしてきたりなど仲を引き裂こうとする行為をされました。当時は、そんな事は気にもせず、そんな意味があったのも分かりませんでした。歌詞の中に「分かってしまったよ僕らが、壊れてしまった訳が。足りない物などなかった邪魔な物が多かった。」とあって、今聴くとまさにその通りだなと共感し、過去の甘酸っぱい恋を思い出す一曲になりました。
・THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

初めて携帯を手にしたのが高校生の時でした。当時は、着メロなるものがあり、着信音を好きな曲が鳴るように設定できるのですが、今じゃ考えられないほど、皆着メロに設定してました。そして念願の携帯を手に入れウキウキの私が、着メロに選んだ曲、それが〈ミッシェル・ガン・エレファント〉の「ゲットアップ・ルーシー」です。初めて携帯を手に入れ、着メロを設定した高校二年生から、皆が着メロじゃなくなる日まで頑なにこの曲から変えずにいました、なのでこの曲がいろんな人からの電話の着信を知らせてくれました。酸いも甘いも経験する時代を共に過ごした曲なので、すっごくかっこいい曲なのに未だにこの曲聞くと、甘酸っぱい気持ちになりあの頃を思い出します
・back number

高校一年生の時、初めて彼女ができました。その時の彼女とは、ほとんど一緒にいて、毎日大好きだなぁ、と感じていました。ある時、この曲と出会い凄い共感ができたので、彼女にも聴かせてみようと思い、聴かせてみると「本当にいい曲だね」と、二人してこの曲が大好きになりました。この曲のワンフレーズ「浮気しても言わないでよね、知らなければ悲しくはならないでしょ」という、歌詞を二人で約束していました。会うたびに、お互いで言い合っていました。今はもう彼女はいませんが、聴くたびに当時の記憶が蘇り、甘酸っぱく、幸せで、少し切ない気持ちになります。この曲が一番の思い出の曲です。
・フジファブリック

福岡から上京し、社会人一年目。その時によく聴いていたのが、〈フジファブリック〉の「バウムクーヘン」でした。東京というワクワク感と、会社という初めての環境、とても自分の感情の起伏が激しい毎日でした。自分の要領の悪さを痛感したり、自分のことばかりで、人に優しくできなかったり。自分にはこんなにいろんな感情があったのか、と驚くほど。なんとなく気持ちが乗らない朝の通勤、自転車を飛ばしながらこの曲を聴いて、頑張るしかない!と自分を慰めていました。明るい曲のテンポといじけたような歌詞にすごく支えてもらいました。「ちぇっ、ちぇっ、ちぇっ、うまくいかない〜」と、自分と向き合いながら頑張っていた、当時の自分を思い出します。
・UVERwould

思い出の曲は〈ウーバーワールド〉さんの「浮世クロッシング」です。この曲を知ったのは思春期に自分って何なのか、友達や人との関わり方など、沢山の事に悩み自分自身に自信なんて持てない時でした。そんな時、ドラマで流れてたウーバーワールドさんの浮世クロッシングを聞いた時すごく励まされました。歌詞の中に「内面の弱さも外見もこの世に一つしかない君の個性」というフレーズがあります。このフレーズを聴いた時、自分を変えようとしなくていいんだ。もっと素直に生きてみてもいいんだ。そう思いました。今でもしんどくなった時、自分を励ましたい時はこの曲を聴いてます。
・Sonar Pocket

ソナーポケットの「プロミス」は私の初恋であり初めての彼氏を思い出す曲です。「プロミス」はウエディングソングなのですが、当時まだ中学生だった彼からプレゼントされた曲です。まだ結婚の本当の意味も知らない、幼すぎる恋でしたが、「時が経って年をとって身体老いても君を愛する気持ちは変わらないよ」と、その瞬間、二人の間に永遠があったのだと、幼いなりに真っ直ぐに、ただ精一杯に恋をしていたのを思い出して心がほっこりする、そんな一曲です。
・DANIEL POWTAR

〈ダニエル・パウター〉の「バッドディ」という曲は落ち込んだ気持ちを吹き飛ばしてくれる曲です。自分はちょっとした失敗や、友達との喧嘩ですぐ落ち込んでしまいます。すると自分はそれを引きずってしまうタイプで、立ち直るのに時間がかかります。この曲の歌詞を日本語に訳すと「今日はついてない日だったのさ。へこんでも無理に笑顔を作って気晴らしをする。気を取り直したらもう気にしないでいいよ。」とあります。落ち込んだ時にこの曲を聴くと考え過ぎてた自分がバカらしくなり、気を取り直してまた頑張る事ができます。
・安室奈美恵

〈安室奈美恵〉の「ベイビー・ドント・クライ」。この曲は、ドラマの主題歌やCMで使用されていた曲でした。仕事で失敗したり、プライベートが上手くいかなかったりと、気分が落ち込んでいる時によく聴いていました。「散々でも前に続く道のどこかに望みはあるから」という歌詞に励まされて、よし!明日からも頑張ろうと、よく思っていました。この曲のMVもとても好きで、ただ歩いているだけなのに、なんでこんなにかっこ良いのかと惚れ込んだものです。発売されて随分経ちますが、今でも嫌な事があった時や落ち込んだ時には必ず聴く一曲になっています。
・宇多田ヒカル

自ら買ってまでは聴かない。音楽との付き合いはその程度だった。それが覆ったのが学生時代に聴いた〈宇多田ヒカル〉の「トラベリング」だった気がする。楽曲もさる事ながら、銀河鉄道の夜を独自に映像化したら?といった考えをよぎらせてくれるMVも合わさり、ずっと記憶に残っている。その後、デザインの勉強を始め、何とか手持ちのツールで似た様な制作が出来ないかと、試行錯誤したのを思い出す。今はデザイナーとなり、制作で安定を優先する事が多い。この曲を聴くと、理想に近づけようとする気持ちが呼び起こされ、ストレスに似たものを感じる。もう少し子どもっぽい方が楽しいのかな。
>>> 第五回 Part 1 “現代の音楽事情”
PHOTO / HAJIME MATSUMOTO (hpc)
EDIT BY LIRY