LIRY VOL.14 special issue With Music

音を感じずにはいられない! 音楽と、「装い」。

 

*4 -旧アイドル・新アイドル・演歌・歌謡曲-篇-

いつの時代もスタイルに魅せられ、崇拝しカルト的になっていた。常に時代を彩るのは文化だ。その中でも、色濃くワタシたちに影響を与えているのは、やはり「音楽」な気がする。“音を感じる”なんて、小説のような比喩もワタシたちの様なスタイルジャンキーが持つ文化背景にはお似合いな気がする。音楽と装い、様々な音楽背景と共に魅せる。YouTube 付き

 

 

 

 

 

・The Old Idol   

当時の“ナウい”アレンジ

 

 

スウェット ¥6000 (アーティスト“ウィットネス”ペイティング転写スウェット|ウィットネス) シューズ ¥9800 (ディティ別注・イラストレーター北村範史 コンバース|ディティ) 他全てスタイリスト私物   
HAIR & MAKE / YUKA HIRATA (paracrie)
MODEL / KOTO SHIRAKAWA (LOCO Production)

まさにアイドル黄金期とされる1980年代。<キャンディーズ>や<ピンクレディ>など、独特なステージ衣装でテレビを盛り上げた70年代のアイドルたちとはまた違い、ブラウスやトレーナーなどの身近なファッションと抜群のビジュアルで音楽業界とオーディエンスを魅了していく80年代アイドル。髪型を真似され当時の流行となった<聖子ちゃんカット>は、一般人だけでなく当時のアイドルもほとんどがこのスタイルをしていた。そんな中、映画の世界からアイドルとなった人も少なくない。当時のアイドルは、歌唱力が高く、カワイイ、才能がある芸能人としての本質がある人たちがメディアを賑わしていた。その人のようになりたくてファッションを真似しようと、その人にはなれないと感じる、可愛らしさの中に強い才能が溢れる絶対的な憧れを誇示していた存在であった。

キャンディーズ ・ 夢のカリフォルニア

松田聖子 夏の扉

 

・The New Idol  

ユニフォームスタイルやカラースタイル
衣装は、育成型刺激系アイドル<チクチク>のメンバー衣装。2015.2.1に「青春ラブソング」でインディーズデビュー。2016.2.11ゼップ・フクオカにて単独ワンマンライブを敢行してる今注目の福岡のアイドル。www.tick-tik.com シャツ モデル私物 
HAIR & MAKE / YUKA HIRATA (paracrie)
MODEL / RISA SAKAMOTO (elegant promotion)

ファッションの多様化が進んだ2000年を迎え、ミックスカルチャーとともに作り出された新しいスタイルのアイドルたち。ずっと憧れの存在であった芸能界というものを身近に感じれる時代になったことは間違いない。会いに行けるアイドルとして、目と鼻の先にいて温度を感じる距離の小さなステージで必死に歌やダンスを頑張り、スターになることを夢見る沢山のアイドルたち。まさにアイドル戦国時代と言われるのも納得である。そのアイドルで多く見られる統一されたスクールスタイルの衣装は、大人数が所属するアイドルグループにおいては、かえって個性が際立って良い。カラー別の見せ方を戦略とし、より個性の表現と、ファンからすると「推しメン」をメンバー本人に伝えれる可能性が上がるありがたい振り分け方も、アイドルスタイルのファッションとしては欠かせないものとなった。日本人なら誰もが着てきた制服がステージ衣装となることにより、近い存在だと感じることもあるだろう。制服ではない衣装の時には、印象が変わり、アイドルからのステップアップとして羽ばたくことも、また一つの楽しみとなっているよう。

Tick☆Tik「Believe」城天あいどるストリート

WE ARE BORN / ももいろクローバーZ(WE ARE BORN / MOMOIRO CLOVER Z )

 

 

 

・Enka  

日本の心・和の様式美

HAIR & MAKE / YUKA HIRATA (paracrie)
MODEL / RUKA KAMIKAWA (elegant promotion)
全てスタイリスト私物
 そもそもは、明治時代の時世を批判し、自由民権思想を大衆に訴えるため血の気の多い男性の政治活動家たちが歌ったことから始まったとされる。そののちには、政治的思想から離れて、流行や風習、考え方を思わせるような調子の曲として、日本独自の伝統音楽である民謡や小唄などの要素を多く含んだジャンルの曲とされる。「歌は世につれ、世は歌につれ」という言葉はまるで演歌の真髄。音階としては、歌詞は基本七五調で、譜面をハ長調にするとファとシの音がない「ヨナ抜き音階」が多いのもその特徴。このジャンルの音楽を好む人のファッションは、やはり古き良きものを愛すものとしてのスタイルが多く見られる。古典的な着物や、スーツ、正統派なコーディネートで歌われ、歌謡曲世代とかぶる世代でもあるが、こちらの方が真面目で実直な印象を与えてくれる音楽ジャンルとも言えよう。演歌の魂である<コブシ>は、演歌発祥期の力強い荘子たちを思わせる名残の一つかもしれない。

桃山晴衣の明治大正演歌(1)/1983年池袋スタジオ200

演歌5人姫 – ヒット曲メドレー

 

 

 

 

・Kayoukyoku  

ニューミュージックとポピュラリティー
HAIR & MAKE / YUKA HIRATA (paracrie)
MODEL / MIORI IMURA (elegant promotion)
ワンピース ¥4800 ネックレス ¥3024 パンプス ¥6264 (全てヴィンテージ|フェアファックス)

ニューミュージックともいう。本来は、外国などから日本に入ってきた芸術歌曲のことを<歌謡曲>として、<新時代の歌>いう意味で使用していたそう。現代の私たちとしては、演歌も歌謡曲もそう変わらない印象を持つが、あくまで西洋音楽の日本において派生していった形である。昭和に流行した日本の音楽であり、懐かしさを感じ得る居酒屋や、小料理屋で流れている。今だに根強いファンも沢山いる音楽ジャンルで、魅力の多くとしては、ストレートに意味が伝わりやすい内容の歌詞とムーディなメロディー。米軍進駐軍を相手に基地などで活躍していたミュージシャンがやがて場所を銀座、赤坂などのキャバレーに移して、日本人向けの曲作りと転換したものが、ムード歌謡の原点となると言われる。1960年代後半から1970年代前半が全盛期でありその時代の高度経済成長という日本の経済背景に伴い、不思議なシチュエーションのステージや、派手で大きなデザインを施したもの、夜の社交場の印象を感じるムーディなワンピースなど遊びが多く、華やかなスタイリングが多く見られた。

なかの綾 / 恋におちて Fall in Love

ちあきなおみ Chiaki Naomi – 喝采

 

 

 

 

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ディティ ☎08027927674
フェアファックス ☎092-771-6036
ウィットネス ☞ witness.office@gmail.com


PHOTO / BUN YOKOYAMA
STYLING / KEISUKE UENO (REFRAIN226)