LIRY VOL,12 SPECIAL ISSUE AFTER FIVE*
#1 AFTER FIVE* CHRONICLE.
<アフターファイブ>=プライベートな時間は、いつの時代も、その時代背景と確実にリンクしています。景気や社会情勢などの様々なことに絡みあい、もつれあい、時代と共生しているワタシ達。1980年代、1990年代、2000年代、そして現代の2010年代までの時代を象徴した4つのヴィジュアルアートワークと、“時代背景”の軌跡が、ワタシ達の時間の過ごし方の変化を明確にしてくれる。そして、ワタシ達が時代の中に生きているのか?時代がワタシ達の中に生きているのか?を改めて考えたい。
1980s*
バブルが生んだ遊び心に浸透したアフターファイブ
DISCO ! DISCO ! DISCO !
スパンコールトップス スタイリスト私物
1980年代の出来事
みんなが憧れのマイケルジャクソン、マドンナなどトップアーティストが日本での来日公演を行ったり、日本企業が外国への進出、そしてその反面、外国企業やアーティストが島国ニッポンに興味と可能性を多く感じていたであろう。国際的な政治的交流が大々的に浸透していったとも思われる。そのおかけで経済状況はかなりの好調であった。太く濃い眉に、赤いルージュ、ハイブランドやボディコンシャスなワンピースに身を包み、まるで求愛中の孔雀かのように豪華できらびやかな出立ちの女性が、ディスコに行き、そしてお立ち台に立ち、夜な夜な3K(高身長、高学歴、高収入)なる理想の男性を求めて踊り明かしたのだ。そうやって、バブルが産んだ遊び心に浸透した時代。まさにバブル経済全盛期とも言える。この時代が一番、女性らしく、良い意味でワガママに生きてきたのかもしれない。そして時代が昭和から平成へと大きく変わる。
PHOTO / BUN YOKOYAMA
STYLYNG / KEISUKE UENO (REFRAIN226)
HAIR & MAKE / AYANO URA (hairmakeFULL)
MODEL / YUMI NAKATA (elegant promotion)
1990s*
メディアの熟成期。アフターファイブは“情報収集”
Television viewer
ビジューツイードジャケット,メタリックジレ、レザースカート 参考商品 (全てヒッピネス|ローラーズハイ) ポインテッドパンプス¥26000 (カラー|イコール) ローラーズハイ ☎092-722-6284 イコール ☎092-409-1030
左より 90’s リブニットボーダートップス ¥3990 (ユーズド|ネスプリ) ミッキーフェルトプリントスウェット ¥10800 (ユーズド|エースインザホール) ネスプリ ☎092-733-3710 エースインザホール ☎092-724-3958 G-ショック スタイリスト私物
1990年代の出来事
お気に入りの雑誌の発売日を毎月首を長くして待ちわびていた。モデルが華麗に洋服を着こなし、たくさんのスタイリングを楽しませてくれるワクワク感はまるで、陽気な映画を見ているようだった。また、たくさんの<リアリティ>が表現されていた時代な気もする。ハイブランドファッションだけでなく、Tシャツにジーパン(あえてそう呼ばせてもらいます。)にスニーカーなどカジュアルなファッションが若者を魅了していった。はたまたロマンティックでドラマティックな展開のドラマに胸をキュンとさせ、そのスタイリングや音楽が一般の人々のファッションに多くの影響を与えたのは否めないとも言える。雑誌やテレビなどメディアに、自ら情報を取りにいった時代であり、誰もがテレビから得る情報を共有していないと次の日の学校や会社のでの会話に置いてけぼりにされるような気がした。そして、90年代は女子高生というワードが多くメディアを駆け回った。売れる背景には、必ずや女子高生がいたような時代。プリクラと言われる、プリント倶楽部が誕生したのもこの時代。
PHOTO / BUN YOKOYAMA
STYLYNG / KEISUKE UENO (REFRAIN226)
HAIR & MAKE / AYANO URA (hairmakeFULL)
MODEL / MISAKI TOMIMATSU & YUMI NAKATA (elegant promotion)
2000s*
インターネットが個人を世界に繋げ、アフターファイブの概念が消えていった。
WWW world wide web
ロケーション協力 PPP(ピースリー)
福岡市中央区天神3丁目15−1 にちりんビル B1F www. ppp-fukuoka.com
2000年代の出来事
有線で繋がることが当たり前だった大衆の中に、光で情報を伝えるという”インターネット”が個人と世界をつなげた時代。まさにIT革命。海外に行くことが時間と大金を要し、かなりの特別感があった90年代から、ぐんと世界が近くなったような。今、この瞬間に地球の裏側で起こっている事、知りたいことをより早く感じることができる。それこそ9.11の大惨事も身近に感じ、大きなショックと衝撃を受けた人も多いのではないか。反面、容易に手に入れる事のできるワールドワイドな世界は自分の持つ可能性をもどこまでも広げてくれそうな期待に胸を踊らせていた新時代であるとも言える。黒人初の大統領から、55年体制以降初の、民主党が政権を奪った。ファッションとしては、好みの服をショップに出向いて探し回ることから、インターネットと言う魔法の箱から溢れる情報をキャッチして好きなアイテムと、欲しい情報を好きな時に好きなタイミングでチェックできるようになった。また、ブランド背景を調べたり、デザイナーのマインドをタイムリーに感じ、より自分だけのファッションスタイルの表現を探求するという<個性>を求めて進化していったように感じる。電子的な生活の中で生まれたユーロビートに身を任せ、手足を規則的に踊っていた人も多いのでは??
PHOTO / AIRI MATSUO (ar photo)
STYLYNG / KEISUKE UENO (REFRAIN226)
MODEL / RISA SHINCHI (elegant promotion)
2010s*
スマートフォンが、個人の価値観を変えていった。
Future phone
左より レザーライダースジャケット,センタータックチノパンツ ともに参考商品 (ヒッピネス|ローラーズハイ) 七部袖スウェット ¥5260 (ユーズド|パズル) ギンガムチェックカシュクールコート ¥29160 (ヒッピネス|ローラーズハイ) ストライプオックスフォードシャツ ¥22000 (キクスドキュメント|HEMT PR) ロールアップしたリーバイス517スタプレ ¥8800 (ユーズド|エースインザホール) 上から履いてるバドワイザー柄ショーツ ¥3999 (ユーズド|スピンズ) ストライプシャツ ¥10800 (ユーズド|エースインザホール) 中に着たタンクトップ ¥4900 (ラグスチェンジ|イコール) ジョッパーパンツ ¥22800 (ヴィンテージ|エースインザホール) カモフラージュドットカシュクールコート ¥26000 (ヒッピネス|ローラーズハイ) ニットワンピース ¥52000 (ジェーンスミス|HEMT PR) 中に着たフリルシャツ ¥2999 (ユーズド|スピンズ) ニットトップス ¥10800 (ユーズド|エースインザホール) ハイウエストパンツ ¥14800 (トラノイ|クルーズ)
ローラーズハイ ☎092-722-6284 パズル ☎092-791-2445 HEMT PR ☎03-6804-6321 スピンズ ☎092-721-1311
エースインザホール ☎092-724-3958 クルーズ ☎092-414-1169
2010年代の出来事
個人の尊重とスマホ(feature phone)とサブカル文化。電話というものが、この数年でここまでの変化を遂げるとは思っていただろうか?かつては話すコトのみ、そしてメール機能の追加、モニターはモノクロからカラーへとすざましいスピードで今なお進化し続けている、今では当たり前にパーソナルスペースに入り込んでいるたったカードサイズ位しかないハイパーなもの。その驚くべき機能は、個人の生活を格段に快適にし、反面で使い方をまちがえると、大変なことになりかねない機能が潜んでいる気もする。小さい頃に見たSF映画の話がすぐそこにあると感じている人も、そう少なくないであろう。<近未来>はもしかしたら、とっくに<現代>になっているのかもしれない。高機能の端末と膨大な情報の中で共存することで、異次元の行き来を簡単にできる。さらに個人というプライバシーそのものが過剰に尊重され続けることで、ニンゲンそのものと関わっているのか、表面的な情報と関わっているのか、よく分からない。簡単に情報を得れるため、ファッションも実にミクスチャーなものとなり、大きなトレンドというよりは、様々なサブカルチャーとファッションがそれぞれのジャンルで磨かれて市民権を得たんじゃないかという様に感じる。そしてまた新しいものを求めて、異素材や異文化など、さらに違うモノ、コトを掛け合わせることで作り出そうとしている。スマホ(feature phone)の可能性はまだまだ無限大?
PHOTO / AIRI MATSUO (ar photo)
STYLYNG / KEISUKE UENO (REFRAIN226)
HAIR & MAKE / CHINATSU SUNAKAWA (hairmakeFULL) & TOMOKO KIDO
MODEL / YUMA NAKAMURA , MAYUKA OHTSUKA , RISA SHINCHI , LUI YAMADA , CHIHIRO ITO